さて、rubyで野良アプリ書くときバッチ処理エンジンにはSidekiqを好んで使っています。
Sidekiqには日次処理などを簡単に行うため(*1)にSidekiq::Schedulerという拡張gemがあり(*2)、任意の定義済みワーカを例えばcronライクに繰り返し実行することができます。
基本的には各ワーカの実行条件やパラメータをYAMLの形で全て静的に記述し起動時に読み込むというスタイルなのですが、時には動的にワーカをスケジュールに突っ込みたいことがあります。
Sidekiq::Schedulerはもちろんそれもサポートしています。
ただmoove-it/sidekiq-schedulerの説明がいまいちだったので、備忘録も兼ねてまとめました(*3)。
初期化
まず、初期化の段階でSidekiq::Schedulerがタスクの動的な追加削除を受け付けられるよう設定しなければいけません。
Railsなどであればinitializerに次のようなコードを書くなり、
Sidekiq::Scheduler.dynamic = true
Sidekiqを直接走らせる場合には設定を書いたyamlを渡すなり、
% cat config/sidekiq.yml :dynamic: true % sidekiq -C config/sidekiq.yml
バッチ側だけでなく、フロント側やコンソールなど動的にタスクを突っ込む元となる全ロールでこの設定がなされている必要があります。
タスクの動的な追加
Reloading the schedulesに説明があるとおりですが、Sidekiq.set_scheduleメソッドを使って追加ができます。
第一引数の名前は一意であれば何でも構いません。名前を変えることで、同じワーカーを別のパラメータでスケジュールに突っ込むことができます。
第二引数のハッシュに指定できる項目は静的にyamlに書く際に指定できるものと同じです。キーはシンボルでも文字列でも大丈夫です。
また、スケジュールを突っ込んだあとは、reload_schedule!メソッドによってSidekiq::Schedulerに認識させる必要があります(*4)。
> Sidekiq.set_schedule('DynamicWorker', {every: '10s', class: 'DynamicWorker'}) > Sidekiq::Scheduler.reload_schedule! # Don't forget! 2016-02-21T15:20:24.545Z 89314 TID-oxsqo8m4g INFO: Reloading Schedule 2016-02-21T15:20:24.546Z 89314 TID-oxsqo8m4g INFO: Loading Schedule 2016-02-21T15:20:24.546Z 89314 TID-oxsqo8m4g INFO: Scheduling DynamicWorker 2016-02-21T15:20:24.548Z 89314 TID-oxsqo8m4g INFO: Schedules Loaded
Railsなどでコンソールを叩いている場合、reloadしたさいに再読み込みされたタスク群のなかに新たなタスク(上記の場合DynamicWorker)が入っていればOKです。
これで、あとは勝手にキューイングしてくれるようになります。
... 2016-02-21T15:11:37.750Z 75551 TID-ouhmu4v8o INFO: queueing DynamicWorker (DynamicWorker) 2016-02-21T15:11:48.049Z 75551 TID-ouhmu4v8o INFO: queueing DynamicWorker (DynamicWorker) 2016-02-21T15:11:58.346Z 75551 TID-ouhmu4v8o INFO: queueing DynamicWorker (DynamicWorker) ...
で、Sidekiqが後ろで走っていれば勝手に実行してくれます。
... worker.1 | 2016-02-21T15:14:59.644Z 75671 TID-ouxhncu88 DynamicWorker JID-a86e06a4ca000df092e1424c INFO: start worker.1 | 2016-02-21T15:15:04.648Z 75671 TID-ouxhncu88 DynamicWorker JID-a86e06a4ca000df092e1424c INFO: done: 5.004 sec worker.1 | 2016-02-21T15:15:09.661Z 75671 TID-ouxhncu88 DynamicWorker JID-2a7c2d743b88769da69d0a0d INFO: start worker.1 | 2016-02-21T15:15:14.666Z 75671 TID-ouxhncu88 DynamicWorker JID-2a7c2d743b88769da69d0a0d INFO: done: 5.004 sec ...
タスクの動的な削除
上述の方法で動的に追加したタスクにかぎらず、Sidekiq::Schedulerが認識しているタスクはその名前を指定して削除することができます。
> Sidekiq.remove_schedule('DynamicWorker') > Sidekiq::Scheduler.reload_schedule! # Don't forget! 2016-02-21T15:21:40.522Z 89314 TID-oxsqo8m4g INFO: Reloading Schedule 2016-02-21T15:21:40.522Z 89314 TID-oxsqo8m4g INFO: Loading Schedule 2016-02-21T15:21:40.522Z 89314 TID-oxsqo8m4g INFO: Schedules Loaded # "DynamicWorker" no longer exists!!
remove_scheduleは指定された名前のタスクが存在してもしなくてもtrueを返すので値を使わないよう要注意。
個人的にはset_schedule!/remove_schedule!なるメソッドもあってreloadを明示的に呼ばなくてもいいようになってると嬉しい人も多いかもなーなどと思っていました。ぼくのことです。