第29回関東CV勉強会でSelective Search for Object Recognitionを紹介してきました

初ガツオの季節です。都会なので目に青葉は映りません。山などないのでホトトギスもいません。テッペン原稿カケタカ!

さて、仕事がらComputer Vision的な活動はぜんぜんできていなかったこの1年でしたが、年明けたぐらいから気持ち的にも余裕ができてきたので、ちょいちょいと遊んでいました。
そして先日開催された関東CV勉強会で、かなりひさしぶりに外で専門分野のお話をさせていただく機会をいただき、検出界隈では有名と思われる手法Selective Search(*1)(*2)について紹介してきたので、簡単に振り返ってみたいと思います。

勉強会情報

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「アジャイルなオフショア開発」というお話を聞いてきた

日本の水産物の最大の取引相手は、輸出入ともに中国(香港を含むとする)なんだそうです。輸入総額が輸出総額の8倍ぐらいあって、やはりあちらは単価が安いからなのかな〜などと愚考しております。

さて、社内勉強会で、GMOの藤村さんをお招きして「アジャイルなオフショア開発」と題してのご講演をいただきました。
タイトル的にはオフショアとアジャイル!?ん!?!?ですが、これが結構たのしかったので、記憶を頼りにメモ。

ざっくり内容

  • 口にすると成就する(かもよ!)

    • なんとかかんとかっていう女優さんが好きだー好きだーと言っていたらとツーショット撮影出来た話
    • 仕事もそうだとおもう!
  • オフショアの歴史。

    • 90年代からのもろもろ
    • トレンドが中国やベトナムやインドを行ったり来たり、今はミャンマーが熱かったり
    • 中国はもはや安くない。政治的な問題もある。インフラや技術力や日本語使えるエンジニアが整っている。
    • ベトナムは親日だし人件費わりと安いし、インフラや技術力や言語ではやや劣るけどバランスがとれてる

      • 今回はベトナムとのオフショアの話。ハノイ工科大学みたいな高度な拠点もあるので。
    • インドは英語的なメリットとか技術力はやっぱ高い。人件費はそんな安くない。

      • なので、やすさではなく技術力を重視したプロジェクトが多そう?
      • 優秀なエンジニアが集まりにくくなってる
    • ミャンマーは安い
  • 今回のお話はベトナムの会社とオフショア
  • できないことを諦める

    • 一回のやり取りで完成品が上がらない→諦める
    • 見積の精度が上がらない→諦める
    • 95%からが長い→諦める

      • 細かい修正にいちいち指示書とか超ダルい
    • そこで、RFCモデルの提案(詳細後述)
  • 研修はしないとだめ

    • 自習に期待するのは甘かった
    • 地頭がよく技術力はあるが実務的なところが弱い
    • 研修は今のところやりっぱなし感ある

      • フォローアップは課題
RFCモデル(僕の理解)

基本コンセプト

  • Request for Commentsではありません。念の為
  • ざっくりしたものを作ってもらう。95%までやってもらう。
  • 残りの作り込み

内容

  • HQ側(受注側、受け入れ担当者)がバックログを準備

    • 仕様をtrelloに書く
  • 作業側がタスクに分割
  • 通常WIP、Reviewと経ていくことが多いが・・・

    • Rough:70%程度の完成度を目指す(作業者サイド)

      • WIP
      • Review(受け入れ側)
    • Fill:95%程度の完成度を目指す(作業者サイド)

      • WIP
      • Review(受け入れ側)
    • Closing:100%にする(受注サイドのエンジニア!これ重要!)

      • つまり、最後の最後の詰めの実装は、持ち帰ってやっちゃう

ポイント

  • R/F/CそれぞれでWIP/Reviewがある
  • 仮定1:Roughは精度の高い見積もりが可能

    • 経験的な知見。(僕も経験的にそうおもう)
  • 仮定2:Roughに実際の作業時間と100%完成度に至る時間との間には固有の定数係数で説明される線形の関係がある
  • そこで、

    • Roughをやる時点でどんぐらいかかりそう?と聞いておく
    • 実際にRoughにかかった時間を測定しておく
    • 実際にClosingまでにかかった時間を測定しておく
    • Roughにかかる時間に対する、Closingにかかる時間の倍率を計算。

      • この情報を、タスクごとに収集しておく。
      • すると、あら不思議、特定の定数に収束してくる(仮定2)
    • そうすると、Roughの見積もりをした時点で、全体の見積もりが比較的精度よく推定できる(仮定1と仮定2の合わせ技)
  • 実際のプロジェクトでは、この係数は3弱に収束しそうであった。

    • つまり、「ざっくりしたもの作るのにどんぐらいかかりそうよ?」→「3日ぐらい?」→「(じゃ全体出来上がるのは8〜9日ぐらいか)」のような。
    • この値はプロジェクトに依存するだろう。

よかったこと

  • 自己組織化

    • 積んどけば勝手にやってくれる状況
    • レビューもお互いにやってくれる状態になったので品質が安定

課題

  • 開発モデルとしてのスケーラビリティ

    • 受け入れ担当者に負担が集中SPoFになる

      • タスクを積むのも、1つのタスクに対して3回以上のレビューをするのも、
    • アジャイルコーチの川口さんより:バックログを積む段階にもボトルネックが存在しそうね。
  • カジュアルに締め切りがブッチされる

    • 遅れるのはいいんですよべつに
    • 何も言わずに遅れられるとしんどいです

その他

  • 手戻りってある?受け入れ側がRoughからRoughに戻したり

    • あるね。齟齬があったりすると
  • 拠点数に対するスケーラビリティはどんな?

    • 試してないけど受け入れ側もチーム化したりするとかあるかも
  • 画面とかデザインとかを伴う場合は?アセットの共有とかは?

    • (聞き取れてない)

思ったこと

  • RFCモデルについて

    • メトリックの計測がだいぶ大事そう
    • タスクあたりのコミュニケーション頻度は増えるはずなので
    • Done is better than perfectであって、Roughでさくっとざっくりしたものを作ってもらうコンセプトは超イイとおもう
  • 今どきオフショアかよ。しかもこんなにがんばってまで。という声は、もっともだそうです

    • 今回のお話の元になったチームはアジアに投げてコスト低減だヒャッハーなザ・オフショアなかんじではなくて、ベトナムの技術的なところに期待してのものだったみたい。

      • なるほど、地域特化型?とでもいうのか、そういう種類のオフショアになってくるのかもな。
      • 受託で丸投げするよりはいいのかも。
      • 個人的に思ったのは、仮にここまでの体制を作れるような環境の会社であって、その国に頼りたい理由がないとすれば、オフショア等に頼らずともいい体制を作れそう。
  • 今日の話で一番自分にとって新鮮というか興味深かったのは、具体的なRFCモデルのことでなく、ひとつの開発モデルの生い立ちから育っているところまでの姿をお話として聞けたこと

    • 僕みたいな若い(若いんだってば)エンジニアにとっては、いろんなモデルや手法っていうのはパッケージ化され提供されたひとかたまりの知識体型としてまず入ってくるものであって、少なくとも最初に知った段階では過去の偉人の考えや屍の山はブラックボックス化されちゃってるんですよね

      • そこからいろいろ工夫だったり肉付けだったりしていくけど
    • なので、こういう風に成長途上なモデルとそれを考えた人の話聞けたのはなんか凄い楽しかった
    • 同時に、あ、こういうモデルを考えだすのって、そんなご大層なものじゃないんだとか思った

      • こんなん自分でも考えられるぜ!って言いたいのではなくて
      • 超頭いい人が美しい理論のもとに弾きだした答えではなく、
      • 僕のような普通の人が苦しみ苦しみ抜いてその時々考えたことを集めて体系化したという意味でなんだかすごい身近に感じた。
      • というか、今自分のチームでも自分たちなりのKAIZENをいろいろしてるし、それをまとめればそれだけでひとつのモデルになるなー

第2回 スマホUXラボ「ユーザーテストLive! 見学会~異文化コミュニケーション系Androidアプリ~」に参加しました

東京湾はあまりお魚,というイメージはないですが(特に僕のような地方出身者にとっては),「江戸前」と言って,寿司ネタとかで人気なんだそうです.そんな江戸前の中ではいまはアナゴが旬だそうですね.

さて,2014年7月4日に,株式会社InnoBetaさんの主催で,『第2回 スマホUXラボ「ユーザーテストLive! 見学会~異文化コミュニケーション系Androidアプリ~」』が開催されましたので,参加してきました.
スマフォアプリ開発をしているわけではないのですが,一般論的なユーザーテストに関しての勉強にもなると思ったので行ってみた次第です.

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CV勉強会@関東に参加してきました.ついでに少ししゃべりました.

フグといえば山口県ということで僕の地元でして,県としては対外的にはフグのことを福とかけて「フ」と言ってるわけですが,ぶっちゃけ一般市民はそう読んでなくてフク雑な気持ちになります.

さて,2012/12/16に慶応大矢上キャンパスにて@takminさん主催でコンピュータビジョン勉強会@関東ECCV2012読み会が開催されまして,就活ついでに行ってきたついでに発表までしてきました.

簡単に感想だけ.

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第21回 名古屋CV・PRML勉強会を開催しました.

懇親会のとき11人掛けのテーブルに2皿来たほっけのうち1皿をぼく一人で半分くらい食べてすみませんでした.

さて,先日2012/11/18に,第21回 名古屋CV・PRML勉強会を開催いたしました.

実は第1回勉強会は2010年の11月に開催されており,今回をもって勉強会も晴れて3周年目に突入いたしました.
基本毎月ペースですが,例年8月と今年については6月にお休みだったぶんで回数が合いますね.

概要

内容と感想

藤吉先生・山内さんより,「[サーベイ報告]統計的学習手法による人検出」
  • スライドは統計的学習手法よる人検出 – Slideshare
  • paperはhttp://www.vision.cs.chubu.ac.jp/04/pdf/TS04.pdf
  • 9月のPRMUで発表された内容でした
  • その時私は自分の発表とかぶってて聞けませんでした(´;ω;`)なので非常に楽しみでした

    • ぼくはまさに人検出をやっておりますw
  • 人検出はやっぱりすごいホット
  • 手法的には落ち着きを見せ始めてる印象,すなわち,トップ会議に見る最新の動向を見ると,手法として高精度化するよりは学習手法などの点で高精度化し実用的にする流れが増えている
広島大学・平川さんより,「初めてのグラフカット」
  • 遠いところからはるばる,ありがとうございました!
  • セグメンテーションをするためにグラフカットを勉強した,という立場からグラフカット入門
  • わからなかった人がわかるようになった過程をたどって教えてくれるのが最も効果的なので,非常に貴重なご発表でした
  • 即席とは思えないくらいよく作り込んであって,ちょっと同い年として非常に危機感を…w

    • 玉木先生といえばプレゼンが非常にわかりやすいことで僕の中で有名ですが,やはりそこの学生さん,さすがです…!
    • 3次元でグラフの雰囲気を表示してる図というのは僕は初めて見ましたw
高橋さんより,「ACCVと私」
  • 11月に開催されたACCV,名古屋クラスタとしてほぼ唯一参加されたとのことで,前回のECCVに引き続きぜひご報告を…!とお願いしました
  • 韓国・テジョンにて

    • わりと周りに何もなかったらしいw
  • statistics,awardsなど

    • awardsの各論文の内容まで紹介いただいて勉強になりました…!
  • もはやACCVもトップ会議に近いくらいの水準になりつつあるんですねぇ…
玉木先生より,ICPR2012の参加報告
  • 時間が余ればということでICPR2012についてお話をいただきました
  • preziを実際に使われた発表というのは実は初めて見ましたw
  • ICPR,規模がすごい

    • オーラル何パラ,どころか,オーラルとポスターがパラレルだったりinvited talkがパラレルだったりshotgunプレゼンがパラレルだったりというw
    • 日本だとやっぱ狭い…
  • 次回は2014年,ストックホルムにて

懇親会

  • 今回は藤吉先生が幹事をされまして25人という大盛り上がり
  • 学生さんが多かったですね

    • M1が多かったです
    • B3の人も2名いました
    • 2年前僕が初めて参加した時がちょうどB3の11月でしたので,なにか非常に嬉しいものでした
  • いろいろ楽しいお話も聞けました
  • PRMUアルコンにnagoyacvから横割りでチーム組んで出ようという案

    • 僕自身も6月頃から考えていたのですが,他の方も考えていたそうです
    • こりゃやるっきゃないww

全体の感想,その他

  • 人が多いとやっぱ楽しい
  • 今回は準備おくれてすみません(´;ω;`)
  • 次回は一応12月15日開催予定です

    • テーマどうしようかな…

第20回 名古屋CV・PRML勉強会を開催しました

だんだん寒くなってきて体調崩さないか少し怖いです.深海魚になれば温度は安定しているのになと思うと地上生活もラクじゃありませんね.

さて,先日2012/10/20に,第20回 名古屋CV・PRML勉強会を開催いたしました.

概要

内容

  • @sakanazensen(ぼくです):高専プロコンとComputer Vision

    • 今年の高専プロコン競技部門で出されたタスクがCVに関するものでした
    • いままでもそういうのあったので,非常に若い(10代中頃〜)のひとがCVに興味を持ってやってくれてることを紹介したくて発表しました
    • 資料は未許諾の画像の引用があるので,非公開です>< すみません・・・
  • @yasutomo57jpさん:背景モデリングに関する研究紹介

    • 発表資料資料
    • 定点カメラ映像から背景画像を推定する

      • 定点カメラ映像と言えども照明変動や木の揺れなどの変動を含むので,ロバストな背景推定は難しい問題だったりするわけです
    • 高専時代の卒論には背景差分を使ってて,背景画像の自動推定・更新をやってました

      • その時使った手法としては今回の話で分類すると「確率分布に基づく手法」になりますね
    • D論の関連研究紹介
    • 個人的で恐縮ですが,今回初めてお互い認識してお会いできたのが非常に嬉しかったです
  • @takminさん:Deep Learningに関する研究紹介

    • Building High-level Features Using Large Scale Unsupervised Learning
    • 大規模物体認識コンテストILSVRCで黒船のごとくやってきたDeep Learning,それに関する論文の紹介
    • 生の画素データを入力して,ニューラルネットで低次の特徴から徐々に高次の特徴に反応するネットワークを組む

      • 最上位でどのニューロンが生起したかでclassifyができるよ!という手法
    • とにかく規模がえげつない.
    • googleさんスゲー…
    • ただ,特徴抽出からの識別というオーソドックスな枠組みを一夜にして時代遅れにするものではなくて,DeepLearningの知見を生かしたHand-craftedな特徴量設計というアプローチが今後はでるはず
  • 高橋さん:ECCV2012報告

    • 今月開催されたばかりのトップ会議ECCV2012の参加報告
    • 採択率の話や,投稿数の話など
    • 面白そうだった研究など

      • 問題設定の新しさなどのアイデアでけっこう勝負できるということを再確認できましたね

懇親会

発表者4人(これ自体はたまたま)で懇親会(反省会ともいう?w)をしました.
ちょっと印象的だったのは, ちょっと印象的だったのは,機械学習の人が黒船が如くやってきて,CVをやっていた人たちが生き残るにはどうしたらいいんだろう?という話でした.機械学習の人が黒船が如くやってきて,CVをやっていた人たちが生き残るにはどうしたらいいんだろう?という話でした.
インタフェースの分野や制御の分野に進出することはひとつの生き方だし,機械学習の人がやってくるなら自分たちが機械学習の人になるというのもあるね,というかんじに.

(そもそも,たぶんこういうテリトリー思考すらも既に古い考えなのでしょうね.)

振り返って

今回は最先端なお話ばかりということで本当に楽しませていただきました.
僕個人としては発表内容の理解度がいつもよりよかったように思います.発表者の方の説明が大変わかりやすかったのもありますし,ここ最近けっこう勉強してきたのが生きたかな,とか思っておりますw

勉強会自体はいつの間にか20回を数えるまでになりましたね.ここまで来れたのもみなさんのご協力あってのことで大変感謝しております.

今回は発表者確保に手間取ってしまった故に告知が遅れてしまい,参加者は少なめ…かな?と思いきや,実際に開催してみるとけっこうな数の方に来ていただけました.
反省点は反省点として取っておくとして,それでも内容の濃さももちろん皆様からの質疑も結構活発でいいかんじだったんじゃないかなと思ってます.

あと,発表者の方の時間感覚が素晴らしくて,予定のタイムテーブルから3分とズレることなく最後までいけました.大変ありがたいことです.
僕自身は「これで時間使いきれるのかな?><」くらいの感覚でちょうどいいんだなと実感しましたw

無理を言って発表していただきました@yasutomo57jpさん,@takminさん,高橋さん本当にありがとうございます.
いつも場所をお貸しいただいてる中部大の藤吉先生(@hf149さん)やustしていただいた@fararrow9先輩にもこの場を借りて感謝いたします.

次回について

次回は2012/11/17(土)の予定です.
中部大・中京大の学生さん(配属前?)が多く来られるかもしれない,とのことです.
テーマは未定ですが,ここのところ最先端の研究紹介が続いたこともありますし,この際だからアプリケーションの紹介やCVの可能性の話などattractiveな内容にしてもいいかもな〜などと考えております.

実は次回の開催は,第1回勉強会開催から2周年ということになります.なにかそれに関しても考えてみようかな(・∀・)

第16回 名古屋CV・PRML勉強会が開催されました

こんばんは,名古屋のおさかなさんになって初めての記事です.

4月21日(土),今年度最初の名古屋CV・PRML勉強会が開催されました.
僕が幹事となって最初の勉強会でしたが,多くの方に参加をいただき,またいろいろな方のサポートもあって,個人的には非常に充実したイベントとなりました.

イベントページ: 第16回 名古屋CV・PRML勉強会 – PARTAKE
勉強会公式Twitterアカウント: @nagoyacv
勉強会Google Groups: 名古屋CV・PRML勉強会 – Google グループ
勉強会webページ: 名古屋CV・PRML勉強会

また,当日のツイートをまとめています.
第16回 名古屋CV・PRML勉強会ツイートまとめ – Togetter

今回はいろいろと節目であり,また初参加者の方が非常に多かったこともあって,今後の勉強会をどうしていけたらいいだろうというフリーディスカッションの時間を設けるという初の試みをしました.
この記事では,このときの議事録と,勉強会をはじめて主催しての感想をまとめたいと思います.

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